エベレスト街道トレッキング(4)

 

2003年10月12~11月09日

おやじ一人でチョラ・パスを越えて

10月22日~24日  チョラ・パスを越えて

さあ、今回のトレッキングの大目標であるチョラ・パスを越える時が来た。記録の少ないルートなので 丁寧に報告を書くことにしよう。

昨日のうちにゴーキョ・ピークへ登ってしまったので、朝はゆっくりと起きた。
来た時の道を戻り、二つ目の 湖を過ぎて小川となる所に分岐点の小さな標識を見つけた。登ってきた時はきずかなかったな。ここから踏み跡はサイドモレーンへ 続いており、登り切ると目の前にンゴズンバ氷河が広がる。ゴーキョ・ピークから見下ろした景色とは違うド迫力だ。 今日は晴れているので対岸まではっきりと見渡せる。氷河の中間部分に大きな水溜り(池のように見える)が2ヶ所ある。正面に見える対岸の小さな窪みが ルートのようだ。早速、氷河へ下りて行くと氷が剥き出しにはなっておらず、ザレ場のような砕けた小石で覆われていた。 何処に危険があるか解らないので慎重に歩くことにしよう。かすかに踏み跡が残っており、小さなケルンも積まれていた。水溜りを迂回する時は側壁が崩れて いるのがよく見える。氷河は動いているのだ。この氷河の通過時に視界が悪いと、かなりの危険地帯と なるだろう。トラバースを終えて対岸のサイドモレーンを登り返すと、向こう側に新しい谷が開けていた。
タグナはこの谷にある。3軒ほどのロッジが集まったのんびりとした村だ。谷を下る道はドゥードゥ・コシの左岸へ 続いているそうだ。
久しぶりにタト・パニ(お湯)をもらって髭を剃る。
遅れて到着のスイス人パーティがポーターの若者達と騒いでいる。やがて、混成のツアーらしきパーティがチョラ・パス方面から降りてきた。 思っていたよりもこのルートは利用されているようだ。 そして、夕方遅くに日本人の若者二人がチョラ・パスを越えて疲労困憊で辿りつく。彼らは一見してバックパッカーと解る。 あぶない危ない!一歩間違えたら大変だぞ!
ま~いいか! ご褒美にコーラをご馳走してあげた。

チョラ・パスへの道は村の奥から一気に涸れ谷を急登している。
同宿のスイス人達と一緒になることを避けて早起きをしたのだが、朝食は団体が先だった。やり過ごして出発。単調な急登なので荷物が肩に食い込む。 3つほど段丘を越えると空が見えてきた。苦しかったけどこれで終わりならチョロイと思った気持ちは呆気なく崩れた。唖然、目の前に グランドキャニオンをすごく小さくしたような谷が入っているではないか。対岸にはチョラツェの前衛になる岩峰が連なり、ANTAREが指差した先は岩峰の間に 鉛筆で穴を開けたような小さな窓だった。そこがチョラ・パス。
気を取り直し、ガラ場を谷へ下りる。谷の突き当たりにビバークサイトがあった。ANTAREの話では水も取れるとのこと。
いよいよ岩場の登りとなる。3級程度の易しい岩場だが、5000mを超えたところで荷物を背負っての登攀だからキツイ。それでも、先を行くスイス人達の ポーターに追いついてしまった。彼らは私の2倍の荷物を背負っているのだから、さすがにやすみ休みだ。彼らと前後しながら漸く登りつくとそこは小さな コルだった。強風にタルチョがはためいている。疲れているが、寒いのですぐに出発。コルの反対側は雪田となっていたが、傾斜は緩いのでアイゼンを つけずに歩くが問題は無い。チョラツェの頂上へ続く雪稜が手にとるように見える。雪田が終わると再び岩場となる。かなりの傾斜を岩壁の基部に沿って 慎重に下る。チョラ・パスの両側に有る岩場の通過は、凍っていたり雪が積もると苦戦するだろう。
ここを抜けると穂高涸沢のザイテングラートの上部に似た所に出る。漸く大休止をとることが出来た。眼下にカラパタール側の穏やかな谷が広がる。 小尾根を一気に下り、小川の流れる谷を行く。疲れているのでピッチは上がらない。やがて小さな丘を喘ぎながら登り、廻りこむとようやくゾンラ のロッジがあった。
ヒマラヤで20kgを背負って、1日に700m登って600m下るのは辛い。久しぶりに胃液を吐いて、その日は何も食べられなかった。
次回は必ずポーター様を雇うぞ!!

シュラフに入ったままでダウンしていたようだ。
目を覚ますと一面が真っ白。雪だ! 1日ずれていたらチョラ・パスは越えられなかっただろう。
今は雪が止んでおり、体調も回復したようなので先を急ぐことにする。ロッジを出て山腹を一本道が続いている。ガスが出ているが心配はないだろう。 やがて、広河原のような所にさしかかった頃、ホワイトアウトになって道を失った。しばらく右往左往していたが、ガスの切れ間に 湖が見えて方向を取り戻す。ようやく踏み跡を見つけてロブチェへの道と合流。ここからはカラパタールへのメインルートなので人通りが多くなる。
ロブチェの宿はものすごく混んでいた。

K・I 記


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