エベレスト街道トレッキング(5)

 

2003年10月12~11月09日

おやじ一人でチョラ・パスを越えて

10月25日~11月1日  カラパタールへ そして下山

目を覚ましたら雪が降っていた。たいした降りではなかったので、出発の準備をして朝食をとっていたら本降りになってしまった。
しかたがなく停滞とする。
ロッジは大変混んでおり、そこにしかストーブが無い食堂はごった返していた。自分みたいに単独のトレッカーは、席を立つと居場所が無くなる。 (ガイドは調理場に潜り込んでいる)あげくに、ヤクの糞を燃料にしたストーブはよく燃えない。羽毛の上下を着込んでじっとしているだけだ。
退屈なので人間ウォッチィングをしてみると面白い。ヨーロッパ各国のパーティが大半だが、何処の国の人かはおおよそ解る。それぞれに特徴があるものだ。 アメリカ人、イギリス人は戦争をしている為か少ないようだ。
疲れてきたので、早くカラパタールとエベレストBCをやっつけて低地に下りたくなっている。

今日も雪が降っている。
それでも小降りとなったので、ゴラクシェフへ前進する決心をした。雪道に足を取られないように気をつけながら3時間弱でロッジ着。 午後になって雪が止んできたので、エベレストBC近くの丘まで行くことにした。この、クンブ氷河右岸にある丘の上には沢山のレリーフとケルンが建っている エベレストで活躍をした人々のモニュメントなのだろう。ルートから外れると結構もぐり、所によっては腰までのラッセルをして丘に登る。鉛色の空の下に エベレストBCが近くに見える。今は冬季の入り口なのでテント村にはなっていない。
ロッジへ戻って、ポツンと一人で座っていた日本人青年に声をかけて同席する。彼はシュラフを持っていないので、これから下山しようか迷っていた。 自分の羽毛ズボンを貸してあげるから泊るように薦める。
彼の話によると、ルクラまでの飛行機を使わずにジリから歩いてきたそうだが、途中でマオイストに遭遇して金を巻き上げられたそうだ。初期の計画では自分も歩こうかと 考えていたのだが、危ないからと止められてやめた。しばらくの間、このルートは危険のようだ?

漸く晴れた。
皆が動き出す前の早朝にカラパタールへ向かう。我々の前には2パーティしか見えない。トレースがついているので歩くのは楽だ。しかし、少しでもルートをはずすと腰まで潜る。 慎重にカラパタールへ登った。
残念なことにエベレストやローツェは逆光だ。写真は上手に撮れているだろうか?しかし、プモリには朝日が燦燦とあたっていたので、雪のついた小ピークへ攀じ登って記念撮影。 突然ローラからプモリへ続く稜線から雪崩が起きた。凄い迫力だ。目線を下に移すと、クンブ氷河は雪が積もってとてもきれいだった。
1988年に北側からエベレストへ行った帰りに、チベットで貰ったカタ(チベット仏教で相手に敬意をあらわす時に贈る白い絹のストール)を持ってきていた。エベレストの見える所へ返すつもりだったので、 カラパタールにはためくタルチョ(五色の旗)に固く結んでから下山開始。早朝にスタートをしたのは正解。続々と登ってくるパーティを交わしてロッジへ。
朝食をとって、一休みしてからロブチェへと下る。

エベレストBCへは行かなかったが、今回の目標は全て片付けたので早く下山をしたい。
まだ道には雪が残っていたのでオーバーズボンを穿く。ペリチェを過ぎてソマリのあたりで雪は消えた。タンボチェが近づくと森林帯にはいり気持ちが良い。
チョラ・パスを同時に越えたスイス人パーティとまた一緒になり、彼らのガイドが私のザックについていたワッペン(前回のエベレスト隊のワッペン)を見て、自分もその時パーティを手伝っていたと言う。 多分、ネパール側のパーティだったのだろう。(この時は北と南から交差縦走をした)しばらく雑談をしながら一緒に歩いたが、彼らはスケジュールの都合で今日中にナムチェ・バザールまで行くとのこと。 我々は充分に余裕があるので今日はタンボチェ。
タンボチェ泊はゴンパの裏側にある静かなロッジ。近くに加藤保男氏のレリーフがあった。合掌

タンボチェから一気に急坂を吊橋まで下る。そして、再びキャンズマまで登り返すのだ。もう下山なので気張らずにビスタリ、ビスタリ。
キャンズマで大休止をとっていると、昨夜も今朝もロッジで一緒だった現地の若者4人がボッカをして現れた。手を振ると彼らも笑い顔を返す。外国語を喋れない彼等はポーターしか仕事が無いのだ。
ここからナムチェ・バザールへは山腹を巻いてのんびりと行ける。
何日ぶりかでホットシャワーをあびてシャンプー。気持ちがい~い!夕方はミュージアムなどを散歩する。
ロッジは日本人で貸切状態だった。ヒマラヤ慣れをした老人パーテイはジリ方面へ行くらしい。そして、もう一つの老姉弟パーティはお姉さんが独標登高会のOGとのこと。自分より先輩で、 メラピークへ行くそうだ。負けた!あとのパーティはツアーのようだった。
ANTAREとビールで乾杯をして、トレッキングの無事を祝った。

一気にルクラまでOKなのだが、カトマンズ行きの飛行機が明後日のリザーブなので、本当に気を抜いてチンタラ、チンタラとパグディン泊。
ここでも北海道の二人組と同宿。彼等はチョラツェの1400mある氷壁を目指しているとのこと。静かだが登攀前の迫力が伝わってくる。頑張れ!

ルクラをスタートして漸くルクラに戻った。トレッキングの終わりだ。
今夜はロッジも静か。預けてあった荷物を受取って整理をしている。
カトマンズへ戻っても帰国まで1週間あるぞ。どうしようかな?

K・I 記


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