谷川岳一の倉沢 南稜登攀

 

2004年7月3~4日

参加者:5名

梅雨なのに久しぶりに雨の心配をしなくてよい天気予報である。
2日の21時に武蔵浦和駅に集合。道路状況は順調で24時に一の倉沢出合着。1時30分には就寝する。
翌朝は予想どおりに雲ひとつ無く晴れ、暑くなりそうだ。出発前の装備点検でロープが1本短かったので、 南稜組5名は2パーティに分かれて登攀の予定を1パーティ5名に変更する。中央稜組2名は予定どおり。

取り付きまで
6時30分に出発。雪は例年よりやや少なめだが、テールリッジ末端まで雪渓を歩ける。
テールリッジ上部のやや難しい所はフィックス・ロープが張ってある。
中央稜の基部まで1時間10分。1パーティが順番を待っていた。我々は全員で休憩をとってから、中央稜組と別れて南稜テラスに向かう。 20分で南稜テラスに着くと、ここにも1パーティが順番待ち。ゆっくりと登攀準備をしていると、後からもい1パーティがやって来た。
烏帽子奥壁中央カンテは混んでいるのに、南稜は空いている。時々中央稜組と無線で交信する。

1P目 スラブ状フェースを右上してチムニーを登る
前の学生パーティが登り終ったので、 9時にトップの私がダブルロープで登りだす。N がビレイ。最初は右上、続いて左上してから右の チムニー下までトラバースする。前がつかえていたのでチムニーの手前でピッチを切る。続いてN が登り、I はロープを引いて登る。引いてきた ロープをK がロープマンで登り、ラストにリーダーのM が登ってくる。
I が二人を引き上げている間に、私はN のビレイでチムニーを登った。

2P目 ホールド豊かなフェィス
1P目より傾斜は緩やかだが、上部にはボルトが無い。このあたりがが一番高度感がある。
中央稜組を見ると3P目の最後を登っているので、コースを間違えないように無線で連絡をとる。
3P目の取り付きまでは草つき帯を20mほど行く。前がつかえていることもあり、リーダーより「大休止!」と声がかかる。

3P目 ハング下のフェイスを左から登りリッジへ
写真で見るより傾斜は緩やかである。即左へ回り込み、オーバーハングを右に回りこむ。
大休止を取ったが前のパティに追いついてしまう。

4P目 馬の背リッジから烏帽子奥壁側のクラックへ
最初は緩やかだが30m地点あたりから急勾配となる。このピッチは45mロープでも短い。前がつかえていたので、30m付近でビレイをとり細かく刻んだ。

5P目 傾斜の強いフェイス
コースの核心であり、傾斜も一番きつい。しかし、適当な間隔でピンがあり、安心して登れる。
14時過ぎに登攀終了地点に着く。中央稜組も衝立の頭に着いたと連絡がある。

南稜を下降
今回は、新人がいなかったので谷川岳頂上へは行かずに、南稜を下る計画とした。
6ルンゼからの懸垂下降は、南稜を登攀したパーティと烏帽子奥壁を登攀したパーティとで順番ができ、我々は3番目だ。 後から来た奥壁の二人パーティが、今日中に帰りたいと急いでいたので順番を譲る。
頂上のあたりはすでにガスがかかっており、広がる気配があった。
6ルンゼのチムニーをリーダーがトップで2P下降し、南稜の3P目に降り立つ。もう登る人はいない。下るのも我々が最後のようだ。 南稜下降の2P目でロープの回収ができず、リーダーが登り返した。
南稜テラスに下りると、ツエルトを張っていた二人組がいた。
中央稜の基部までの烏帽子スラブのトラバースコースは慎重に易しい所を選んでゆく必要がある。テールリッジの下降は、難しそうな所にはフィックスロープがあり、 最後に雪渓に降り立つ所のみ、ロープを出した。前のパーティが降りるまで待たされて、我々が雪渓へ直に下降した時は日没。
懐電と軽アイゼンを出した。
しばらく雪渓を下ると中央稜組から「暗くなって、道がよく解らないのでビバークする」との連絡が入った。中央稜組は北稜を懸垂下降して、衝立前沢から降りてくる計画である。 「既に雪渓が見えている」とのことなので、衝立前沢の合流点まで下ると、2つの懐電が近くに見えるではないか。南稜組は全員でそこまで迎えに行く。衝立前沢と雪渓がぶつかる箇所は、 今年の場合雪が解けてシュルンドとなり、一旦シュルンドの中へ降りてから雪壁を登り返す必要がある。雪渓の上からバイルとロープを下ろして、二人を引き上げた。
一の倉沢出合のテントに帰ったのは21時になっていた。全員で完登の乾杯をしてから食事。
その夜の酒は美味かった。

S・F 記


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