「しらせ」からの便り 2

 

2006年3月12日

稜朋会の皆様

そろそろ梅の花が見ごろではないでしょうか。
しらせは、南緯64度線沿いに海洋観測を続けながら東に進んでいます。
昭和基地では6時間だった日本との時差も、本日やっとなくなりました。
緯度にして15度進むごとに1時間、船内時刻の変更があります。

23時になると、これを24時に変更することになり、寝る時間が1時間減 ることになります。1日が23時間となり、なんだか損した気になります。
もっとも、南極に向かうときにはこの逆で、1日25時間となるので、往復 すると、何もなかったことになりますが...

船の生活は単調ですが、時々現れる鯨の群れを眺めたり、艦尾につい てくる海鳥(ハイイロハオウドリやマダラフルマカモメ等)を見ながら、ゆっ くりと過ぎる時間を楽しんでいます。
晴れた日の夜空は、銀河がくっきりと見え、昭和基地でみるものよりもき れいな感じがします。
さそり座が大きく横たわっているのが、印象的でした。

本日朝7時に、南磁極を通過しました。
南磁極は地球の回転軸(地軸)とは大きく離れていて、南極大陸上には なく、少しずつ動いていて、現在は南緯64度28分 東経137度46分付近に あります。
この磁極の移動により、極に近い場所での磁石の使い方には 注意が必要になります。
今回、昭和基地では偏角が50度くらいでした。 25次隊で来たときは45度くらいだったので、20年間に5度も動いたことに なります。
これを補正しないと、とんでもない方向へ進んでしまいます。

磁極の真上に行くと、磁針が逆立ちするとか、コンパスの指示が変わった 動きをするのではないかと、期待をしていましたが、目で見て分かるような 大きな変化はありませんでした。

しかし、船で観測している地磁気の成分の変化を見ていると、垂直成分が 卓越して、水平成分は非常に小さくなっていることが分かりました。
南磁極付近では、磁力線の成分はほとんどが磁極に垂直に向かう成分だ ということが分かります。

いろいろと応援していただき、ありがとうございました。
3/13より北上を開始し、シドニーに向かいます。
シドニーには家族が迎えに来てくれることになっています。

山は、雪崩のシーズンですね。
十分に気をつけて、楽しんでください。
安全山行をお祈りいたします。

M・K 記


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