マッキンリーに登ってきました

 

2007年6月10~7月12日

参加者 : 2 名

(9)サミット

ハイキャンプで2泊しました。
今日動けなければ食糧&燃料の制限をしなくてはならない・・
天候待ちをしていたら好天の兆しがみえて、遅い出発となるがサミットの号令が出た。
ハイキャンプにいる他のチームも動き出していた。
デナリパスへつづく大きな雪の斜面をゆっくりと登って行く。
風はたいしたことはない。
順調に登って行くと先行パーティに追いついてしまったので抜いて行く。
上部はデナリパスへ向かって急斜面をトラバースぎみに登って行く。
デナリパスにでると、さすがに風が強い。
雪と岩のミックスした斜面を登ると気象観測装置が設置してある岩場に出た。
気象観測装置がセットされたアルミの櫓は、ワイヤーのアンカーが切れて斜面に転がっていた。
むなしく風速計のポロペラが回っていた。
全員で協力して気象観測装置を引き上げてから、 アラスカ大学のスタッフ二人を残して頂上へ向かう。
しばらく登ると「フットボール・フィールド」と呼ばれる平坦な地点に出る。
そして、サミットリッジへ上がる急な雪壁。
ジグザグにゆっくりと登ると頂上が見えた。
目の前より綺麗な雪のナイフリッジが山頂に続いていた。
全員で一本のロープに繋がって山頂へ。
残念ながらその頃にはガスに包まれていた。
記念撮影もそこそこに下山。
フットボール・フィールドに戻る頃にはホワイト・アウトになってしまった。
気象観測装置のところへ戻ったが、残って修復をしていた二人は居なかった。
デナリ・パスへ近づいたと思われる頃には、完全にルートを失っていた。
仕方が無くツエルトに入ってホワイト・アウトが晴れるのを待つことになった。
5500mを越えるビバークはかなりの時間を要した。
雪が降り出してツエルトの裾を埋めていた為か?寒さは感じい。
身体が痛くなって外に出ると若干見通しが利くようになっていた。
急な斜面を慎重に下って行くと、やがて傾斜が落ちてきた。
そして、ハイキャンプが見えた時は嬉しかった。

一人が高山病で肺水腫にかかっていた。
たまたまレインジャーと医者が近くに居たので、レスキュー・ガリーからワイヤーで下ろされて行った。
残りのメンバーは空のワイヤーを引き上げてから、白夜を利用してメディカル・キャンプまで下ることになった。
疲れた身体にこの撤収下山はこたえた・・・

(10)アクシデントは紙一重

肺水腫になったK氏は、ビバークを終えてからメンバーに介助されながらも自力でハイキャンプまで戻ってきた。
ワイヤーに吊られてメディカル・キャンプに戻って、手当てを受けてからはそれほど急を要することは無かったようである。
しかし、訓練も兼ねてヘリコプターでタルキートナに搬送され、そこからアンカレッジの病院まではジェット機で運ばれたそうである。
アンカレッジの空港に着くと、ジェット機のままゲートを出て隣接している病院まで行き、ストレッチャ-に乗せられて病室まで運ばれたそうです。
さすがアメリカ?

私を含めて二人が手の指を凍傷にかかった。
お湯で暖めたあと血管拡張剤を飲んでいたのですが、水泡が出来てしまった。
悪天候により下山が送れて帰りの飛行機に間に合わず、一週間帰国が遅れました。
私の場合は、帰国翌日に病院に行ったのですがそのまま入院となり、2週間血管拡張剤の点滴を受けました。
「感謝されない医者=凍傷=」の著者である金田先生のいる病院へ電話をしたら既に引退しており、病院の親切で金田先生に直接相談をしてくれた。
その結果、金田先生と一緒に治療をしていたS先生を訪ねて東京警察病院へ行くことになったのです。
7ヶ月が過ぎた今、若干しびれていますが爪も伸び、右手薬指は綺麗に残っております。
凍傷は、緊急の脱出でない限り、自己の不注意であると反省しております。

(11)小さな声で話します

マッキンリーに登るためには、タルキートナ・レインジャー・ステーションに60日前までに登録しなくてはなりません。
次に、入山にあたり同レインジャー・ステーションにチェックインすることになります。
ここでオリエンテーションを受け、排泄物処理用の生物分解バッグ(袋)を貰い、ポリバケツを借ります。
氷河上を汚さない為にベースキャンプ地にはピット・トイレ(ベニヤ板でコの字に囲われたトイレが掘ってあります。それ以外のところでは、ポリバケツに貰ったバッグを被せてそこに排泄をして近くにクレバスがあれば、そこへすてます。クレバスが見つからない場合は自己管理をしてクレバスの有る所まで運びます。
我々が行った時は、 ランディング・ポイントにトイレは作ってなかったので、飛行機に乗せてレインジャー・ステーションの裏にある指定の場所に運ぶことになりました。
コキジもキャンプ地ではかってにその辺でしてはいけません。
行動中にはやむをえずコースを外れていたします。
赤布が結ばれた竹竿が立っており、そこで皆がすることになります。
ところが氷河上ですので隠れるところはありません。
ウン??女性がズボンのままそこに立っているではありませんか・・
(後で聞いた話ですが、器具を使って出来るそうです。)
そうそう、悪天候の時のコキジもつらいものです。寝ている時に起きて行くのもいやです。
そこでコキジ専用の広口水筒を用意しました。
シラフの上で溢さないようにするのは、最初は勇気が要りました!!

K . I 記


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