視覚障害者クライミング 第1回世界選手権大会

 

2010年12月4~5日

参加者 : 2 名

標記大会が12月4日、5日に習志野市の体育館で開かれた。
主催は国際スポーツクライミング連盟と日本山岳協会(創立50周年記念事業の中の1つ)である。
習志野市では市職員や市内の各団体が協力して運営にあたった。
私とT.Fもスタッフとして参加した。

日本での視覚障害者クライミングはNPO法人モンキーマジックの代表理事の小林さんの普及活動により、プレイヤーが増えている。
小林さん自身、視覚障害者であり26年のクライミング経験があり、当大会の発案者でもある。
従来視覚障害者は当事者だけでなく、支援者からもクライミングは危険だから無理との認識がされてきたがNPO法人では次の理由から適しているとしている。

① 対象とする壁が動かず、勝敗や対戦相手がなく自分のペースで楽しむことが出来る。
② ロープで安全確保されており、思い切り体を使うことが出来る。
③ 請眼者と同じルールや用具で楽しめ相互理解や交流につながる。
④ 誰の力も借りず課題に取り組むことで日常生活の向上にも寄与する。

競技はオンサイト競技とアフターワーク競技で構成され、ともにロープで安全確保され、持ち時間は各々10分である。
前者は競技の1時間前に触図と呼ばれるルートのホールドを表現した突起のある紙を渡され、それを触り、イメージをつかみ、試技もなく誰からもアドバイスをもらわないで登る。
実際の壁にはホールドから次のホールドまで細ひもが渡されている。
後者は前日にコーチからホールドの位置や上り方などのアドバイスを受けながら、15分間の試技が出来、競技当日もコーチのアドバイスを受けながら壁を登る。
壁にはなにも印はない。
選手は手の形が認識できない全盲から弱視まで3クラスに分けられ、イタリア・スペイン・ロシアなど5ヶ国20名の選手が参加した。
今大会はあわせて肢体障害者5ヶ国5人の競技も行われた。
一人ずつ順に入場してくる選手はガイドとともに来る人、白杖をついてくる人、盲導犬と一緒の人、両手の杖を使って片足で歩く人といろいろである。
競技では手探り足探りでホールドを探しながら、鍛えられたすばらしい肩の筋肉をだして登る人、よく腕が持ちこたえられると思うほど持ち時間いっぱいに粘る人、片足のみで体のバランスを保ちながら、微妙なホールドを持ちこたえて登る人など、緊張した空気のなかで精一杯の競技が行われた。
選手とコーチのやりとりも英語、イタリア語、ロシア語、スペイン語などが飛び交い国際色豊かであった。
多くの人が観戦し応援し興奮した。
コーチとしてビックロックの大岩明子さんや元錦糸町Tウオールの草野さんも来場していた。
競技が終了したとき選手から元気と勇気をもらっている自分に気がついた。
閉会式のとき小林さんは「クライミングはロープに結ばれることにより、自由に解き放される」また「視覚障害者にとってクライミングは大変なものでなく、健常者と一緒に楽しくやっていることに気づいて欲しい」と挨拶された。

最後に大会の準備段階で小林さんより視覚障害者をガイドするときのアドバイスももらったので参考までに記す。

ぶつける、躓かせる、落とす。
この3つはやってはいけない。
これをやるとガイドは視覚障害者に信頼されなくなる。
ガイドの方法として手を引っ張るのではなく、「肩をどうぞ」とか「肘を持ちますか」と言い、困っているように見えるときは「大丈夫ですか」とか「困っていますか」と問いかける。

S .  F 記


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