日本三大急登 甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)

 

2012年6月23~24日

参加者 : 7 名

計画山行は南アルプス光岳の準備をしていたが6/26に台風が到来し大雨が降った。
易老渡への道は、昨年の台風の大雨で林道が崩壊し通行止めになり、今も改修工事が行われている険しい道です。
6/27に現地の林道管理者に電話で現況を問い合わせたところ、台風の前日に道路改修のトラックに落石が当たりフロントガラスを突き破って運転手が死亡した関係で当面通行止めとの説明があった。
急遽、山域を変更して同じ南アルプスでも林道整備の良い甲斐駒ケ岳を選んだ。
北沢峠からのルートも考えたが、黒戸尾根の急登のほうが価値があると考えた。
参加会員に変更の旨を伝え全員了解を得る。
計画書の修正を短時間で行う。
ルートの調査を行い、新人や体験生がいるので雪が残っていたら軽アイゼンがいるのか?ロープがいるのか?装備に神経を使う。
土日の天気は天気図と予報で分析して、甲府方面は雨が降らないであろうと読む。

6月23日 曇り時々晴れ
前夜 午後10時新宿スバルビル前を定刻に出発。
車が1台になったのでドライバーは3人になったので気が楽になる。
須玉インターを出て、30分で竹宇駒ケ岳神社の駐車場に午前1時過ぎに到着。
6人用テントを張り仮眠をする。
午前4時30分に起きてテントを収納し朝食を個々にとり午前5時50分出発。
七丈小屋まで標高差で1700mを7時間掛けて登る予定。
シュラフや自炊道具を担いでの登行は体験性や新人の女性には初めての経験。 夜行で来てほとんどテントの中では寝られなかったろう・・。
初日の重い荷物で、登れるか不安があったと推察する。
登山道はよく整備されており不安は無い。
しかし、北沢峠側なら3時間で山頂に行けるが黒戸尾根側は9時間かかる。
日帰山行の頑強なハイカーもいるが、記録を読むと身体へのダメージは大きいようだ。
兎に角、登る人が少ないのは玄人好みのコースである。
山頂までの標高差が2300mは富士山の2200m、ブナ立尾根の1500m、西黒尾根の1300mと比べて飛びぬけている。
小屋はこの季節、食事を出さないからどうしても荷物が重くなる。
一般ハイカーが敬遠する理由であろう。
新人は日本一急登とは知らずに着いて来る。
頼もしい女性達である。
3時間経過すると刃渡りに到着。
天気が良いので注意を促す程度で順調に通過する。
岩場が多少出て来て、梯子や鎖場もあり気分転換になる。
雨が降っていなければ注意して登っていれば不安は無い。
刀利天狗2010mに到着。
急登の勾配は実感がない。
おそらく梯子や鎖で気がまぎれている間に高度を稼いでいるのであろう。
行動時間で3時間以上が経過をしており、中間地点を過ぎている。
このコースは標高差もありながら距離もある。
後半は距離を稼ぐようなコースに変る。
黒戸山をトラバースしながら水平道を20分進む。
この水平道が良い。
梅雨時で緑の濃いシダやコケが実に気分を和らげてくれる。
南アルプスの良さを感じさせてくれる道中である。
そのうち5合目小屋跡に出る。
ここからは後半の急登に入る。
長い勾配のきつい梯子が現れ、新人・体験生に改めて注意を促す。
ここからはこのコースの核心部で急勾配の梯子が何度も出てくる。
天気が良いので注意をしていればアスレチック感覚で楽しく感じるのは筆者だけであろうか。
既に6時間を経過し垂直に近い梯子が出た。
ここで初めてロープを出す。
新人・体験生を含む女性達にウエストベルトを順番に着けさせビレーする。
ここを抜けて暫くすると、七丈小屋に午後1時に予定通り到着。
小屋番が外出中でストーブのみが点いている。
灯油臭くて中にいると気分が悪くなるので適当に窓を開ける。
荷物を整理し早くも宴会。
夕方、小屋の主が戻って来たので素泊り代3500円を払う。
到着したときは水道の蛇口から水が出ておらず、キャンプ中のハイカーが困っていた。
小屋の主の説明では、沢の水を引く工事か終えたので夕方から使えるとの説明で、実際に、蛇口から水が出っぱなしになっていた。
今日の宿泊者は11人と少ない。
小屋は自炊のみとの事。
食材を上げるためにヘリコプターを使ったのでは採算が合わないのであろうか。
我々も夕方から個々にコンロを使い食事。
持ち寄った酒で談話に花が咲くが、午後7時過ぎに就寝。

6月24日 晴れ
午前2時20分起床。
他の登山者に迷惑を掛けないように小屋の外でコンロを使い、個々朝食を取る。
新人や体験生は真夜中に起きて食事を流し込むのは、身体が付いて来ないだろう。
午前3時45分にアタックザックで山頂に向かう。
8合目ご来光迎場近くで夜明け前の朝焼けになる。
雲海から見える富士山・北アルプス・御岳・白山・目の前の八ヶ岳と新人にとってはじめて見る光景に感動。
やがて御来光を迎え、山へ来たときの神秘的感動は最高潮である。
梅雨時の3000mのアルプスで雲海からのご来光が見られるとは予想してなかった。
思いっきり堪能してから高度を上げ、1時間経過し鎖場が連続する。
既に山頂は見えている。
ここの鎖場も天気が良いのでアスレチック感覚で登る。
鎖場を越えると花崗岩の岩稜帯に移り、20分で立派な祠のある甲斐駒ヶ岳2967mの山頂に午前6時前に到着。
経験の乏しい新人・体験生が日本一きついコースを登れた事に同行した我々は安堵した。
記念写真を撮り、360度の景色を説明したから6時15分に下山開始。
下りは順調で七丈小屋までノーストップで午前7時間45分に到着する。
荷物整理して行動食を取り、午前8時15分再び下山開始。
他のパーティと抜きつ抜かれつで梯子に到着。
下りなので念のためにロープを出す。
人の少ないコースで、順番待ちが無いのが良い。
梯子や鎖場で不慣れなメンバーがいると時間がかかるが、他のパーティを気にしないですむ分だけ新人に落ち着いて行動させることが出来る。
五合目小屋まで思いのほか順調に来る。
此処から200m登り返しがあるが一時の我慢。
ここを抜けると黒戸山の水平道に入る。
今回は7人がさほど遅れることも無く付いて来てくれた。
下りの後半は割りとハイピッチになり、小屋から5時間の午後1時に駐車場に到着。
山頂から7時間で標高差2300mを下った。
価値ある山行であったと思う。
落伍者もなくホッとした。

簡単に荷物を整理し竹宇神社から10分の所にある温泉に寄って汗を流し着替える。
途中、万年渋滞の小仏トンネルを抜け午後7時20分に新宿着。
車から降りる時にに足がガクガクで2~3日は階段の昇り降りが辛いだろう。

Y . F 記


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