南ア 白根三山縦走

 

2012年9月15~17日

参加者 : 4 名

2年越しの秋山合宿、南アルプス白根三山。
当初参加者が新人K君のみで実施が危ぶまれた。
テント泊だと2名では装備負担が重く小屋泊まりも考えた。
実施ぎりぎりになって現役のKさんが他の予定を変更して参加、続いて新会員T女史がこれまた尾瀬に行くツアーをキャンセルしてこの合宿に参加した。
係りとしては2人の女性の熱意に心から感謝。
天候に恵まれ、参加して良かったと思われるように計画の準備に入った。
女性に負担がかからないよう装備・食料の計画を男性2名で主に分担した。
新人のTさんはハイキングしか行ってない。
テント泊での個人装備も2週間前に同行して購入し全てが初めての経験。
前半の2日間に雨さえ降らなければ、通常の地図時間より2時間多く見れば歩けると見ていた。
結果的には其のとおりになり連日、日没前の明るいうちにテント場に着いた。
Kさんも時間さえ掛ければ歩けると今までの実績で判っていたので、初日の9時間の寝不足と重荷に耐えてくれれば半ば完走できると計画段階で見ていた。
新人のK君は学生時代にワンゲルにいたので心配はしていなかった。
今回は終始先頭にたって歩いてくれて技量が判った。
今年の1月、毛無山ハイキング以来の同行なので本格的な山岳会パーティでの動き、幕営の行動を見せてもらい、勝手な振る舞いも無く今後は当会にとって大きな力になってくれるものと期待する。
そんな訳で、夏山剣合宿はパーティの構成よりもルートに相当神経を使って長次郎雪渓の情報を集めて登ったが、今回の秋山合宿は女性の体力が続くかに神経を使った。
動けなかった場合の逃げ道を調べ、万全を図って出発当日を迎えた。

9月14日
午後10時 新宿駅西口スバルビル前を定刻に出発。
K君と運転を交代し甲府南インターを出て、身延手前で奈良田への道に入り午前3時前に奈良田の無料駐車場に到着。
広河原行き始発のバスが5時30分なので仮眠とする。

9月15日(土) 晴れのちガス
午前5時30分の始発のバスに乗るために30分前から荷物の整理をしてバス停に並ぶ。
バス3台が到着するがすでに奈良田無料駐車場の手前から登山客が乗っており、着いたときは5~6人位しか乗れない。
3台ともこんな状況で、この3台が広河原から折り返して来るまで待たされた。
午前7時30分に戻って来て足止めを食らった登山者が3台とも満席で出発した。
午前8時15分に広河原に到着し予定より2時間遅れとなった。
天気は晴れており日没までにはテント場に着くと予想し、二股めがけて午前8時30分出発する。
大樺沢を見上げると、連休と言うことで小屋泊まりのハイカーさんが列をなしている。
時折、北岳山頂が見え隠れする。
2時間30分で二股に到着。
富士山には登ったけど小屋泊まりという事で初めて重荷を背負ったTさんのフットワークはこの2時間30分で落ちなかった。
ワンピッチの時間を短く切ったのが遅れないで済んでいると感じた。
昼前からガスが出始めバットレスが見えなくなる。
クライマーが取り付きを探すのに判りづらそうであった。
二股で左俣コースに入る。
登山者は半分くらうに減る。
雪渓沿いに行くが、此の時期は雪渓がグズグズで歩けない為、左岸沿いの夏道を2時間登る。
八本歯のコルをめがけてもう着くだろうと思いつつなかなか着かない。
重荷と寝不足で疲労が重なってきて、時間ばかりが気になってきた。
ガスっているので山の影がコルに見えてくる。
上から降りてくる登山者に位置を聞いてコルははるか上であることが判る。
2時間近く梯子等を越えながらどうにかガスの中の八本歯コルに到着。
稜線に出ると風を感じるようになり1時間20分かけて山頂に向かう。
途中、北岳山荘への分岐に荷物を置いて空身で午後4時前に北岳山頂に着く。
時折、青空が広がり景色が見える。
明日は晴れると確信した。
日没までに北岳山荘幕場に着きたいので、記念写真を撮り、T嬢が感動していたが早々に下山を始める。
途中、弱弱しい足場のトラバースルートを抜けて、午後5時10分に北岳山荘に到着。
テント場は満杯でトイレの前や小屋の通路、ボイラーの前などあらゆる所に肩を並べるようにテントが皆張ってある。
我々は小屋の正面入り口近くのボイラー前に1張り張れる空地を見つけて設営。
ボイラー音がうるさいが夜9時には止めるだろうと思っていたら、結果は一晩中暖房用に焚いていた。
水は小屋で購入、夕食を午後7時過ぎに終え疲労もあり午後8時前にはボイラーの音がうるさいにもかかわらず夢の世界に引き込まれた。
3000mの稜線での幕営であったが思ったほど冷えなかった。
これも南風が吹き込んでいる関係であろう。
夜中に空を見ると満天の星。
一度目が覚めるとボイラーの音が気になるが、ウトウトしながらシュラフの中で過ごす。

9月16日(日) 快晴
午前4時起床。
快晴という事で全員、気持ちが晴れ晴れ。
日本でも有数の3000mの稜線漫歩。
『ドラマ サマーレスキューの背景画像』に使用される位に美しい稜線が最高の条件で眼前に広がり、そこに居る感動が更に心を豊かにしてくれる。
此処に来て良かったと全員が感じつつ夜明け前に朝食を終えた。
出発を6時にしてテントを撤収し、正面に見える富士山、北アルプス、中央アルプスをカメラに個々が収めている。
風も無く最高の天候である。
T嬢は初めてのテント生活も疲れが手伝ってか眠れたと言うことで全員体調は良い。
今日は午前中晴れていれば後は下るのみ。
午前5時50分出発し目の前の中白根に40分掛けて登る。
背中には昨日登頂した北岳3193mが美しくそして威厳をもって日本で2番目の高さを誇っている。
美しい姿である。
中白根山3055m山頂に登ると塩見岳、甲斐駒ヶ岳 左手にカールを広げた仙丈ヶ岳が美しく聳えている。
中央アルプス宝剣岳も正面に見え、遠くに槍ヶ岳、穂高岳が見える。
更に1時間かけて日本で4番目に高い間の岳3189mに登頂。
南アルプス南部の荒川・赤石岳の山々が見えてくる。
八ヶ岳も北岳の右側に見えている。
富士山はいつでも見えるが周りの山々が圧巻なので霞んでしまう。
間ノ岳でのんびりと休憩。
目の下に農鳥小屋がはっきり稜線上のコルに見える。
1時間もかかるのかなと思えるほどに近く見える。
しかし実際に歩いてみると急勾配のガレ場があるのと山が大きいのでなかなか近づいて来ない。
地図の時間通りに1時間かかる。
噂の小屋の主が居たが登山者にさり気なく声を掛けている。
大休止をして、これから1時間登り上げる西農鳥岳を見上げて体力を温存する。
寝不足で身体が付いて来ない初日と違って2日目は全員が快調である。
此処のコースは天候が全てである。
西農鳥岳3051mに到着。
此処へ来ると農鳥岳の姿がはっきりと見える。
稜線をトラバース気味に1時間で最後のピーク農鳥岳3026mに到着。
3000mの稜線漫歩を全員が遅れることなく順調に進み、いよいよ大門沢小屋のテント場めがけて下降を始める。
まずは昭和40年代の正月に遭難した若者の慰霊塔の鐘のある分岐まで40分。
慰霊塔で鎮魂の鐘を鳴らし同じ岳人の冥福を祈る。
此処から標高差で1100m下降しなければならない。
地図タイムだと3時間であるがこれが思った以上に急勾配で膝にくる。
T嬢は重荷で急勾配を下るのが初めての経験でなかなかペースが上がらない。
兎に角、怪我をしないようにゆっくり下るように指示する。
山小屋に泊まるハイカーさんが夕食に有りつけるかの微妙な時間で飛ばして下っている。我々は日没ぎりぎり位を読んで4時間かけて下る。
夕方5時30分に大門沢小屋の赤い屋根が見えたときはホッとする。
小屋に着いて昨日に続いてビックリ!
小屋から50m上の山林にまでテントを張っている。
「なんだ!これは」
小屋に行くとテントの張れない数パーティがウロウロしていた。
山小屋は定員オーバーで人があふれている。
『なんじゃ!これは』
40年以上山登りをしているがこんな光景を見たことが無い。
直ぐに小屋下の大門沢に入りテント場を探す。
既に何パーティかは沢にテントを張っている。
小屋から50mぐらい離れた小高い場所に4人用テントの張れる平な隙間を見つける。
本流から2m位高いので此処を整地してテントを設営。
森林の斜面に張っているパーティより快適な平らな場所であった。
大雨だけが心配であるが普通の雨なら本流が広いので水は上がらない。
テントを設営したら直ぐに暗くなってしまった。
ギリギリであった。
今日は沢の流れを聞いての就寝になろう。
人工音のボイラーよりは癒し系で益しだ。
沢登りをしていればこの様なことは当たり前と話をして新人の2人はビックリする事ばかりの幕営である。
Kさんがビールを買いに行ったら売り切れで飲み物は完売との事。
聞いたことが無い。
それだけこの連休は登山者が多いのか。
小屋に泊まっていたら布団1枚に2人以上かも。
大きな北岳山荘に泊まった人が布団1枚を2人で寝て大変だったと言っていた。
大門沢小屋は小さいからもっと大変であろう。
テントはその点は快適である。
ビールは無かったので我々が荷揚げした残った缶ビール2本と焼酎で無事降りて来たことを祝う。
女性人2人は良く歩いてくれました。
午後8時には疲れで沢のせせらぎを聞きながら夢の世界に入った。

9月17日(祝) 雨後晴れ
午前3時起床。
テントの外を見ると霧雨が降っている。
天気予報の台風が影響しているかなと思いつつ、ここから奈良田まで3時間30分。
前半は沢沿いに行く。
雨で滑りやすいのでT嬢に怪我をしないように最善の気を使うように注意を促す。
テントを撤収し午前5時30分、雨具を着けてヘッドランプを点灯。
沢の右岸、左岸を頼りない橋を渡りながら下降する。
昨日の下降と違って後半は林の中を勾配も無く距離を稼ぐ感じでハイスピードで降りていく。
実に気持ちの良い下りである。
下ること2時間で人工物の堰堤が出始め、吊り橋を数箇所渡ると林道に出る。
雨が上がり晴れてきた。
雨具を脱ぎ、林道を30分下るとバスの通った車道に出る。
ここが開運トンネルのゲートであった。
数年前の冬に2回北岳に来たとき車を置いたゲート前である。
懐かしく感じる。
ここから歩いて20分で奈良田の駐車場に午前9時15分到着。
荷物を整理してから車で5分、「奈良田の里 女帝の湯」に入る。
ここがまたすばらしい温泉で話の種になるロケーションの良い秘湯だ。

午前11時前に奈良田の里を後にして、一路東京に向かう。
途中毎度の渋滞に巻き込まれながらも連休の大渋滞前に小仏トンネルを通過して、午後5時過ぎに新宿に到着し今回の山行を終える。

Y . F 記


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