那須朝日岳 東南稜登攀

 

2012年10月13~14日

参加者 : 4 名

3年前の7月に登攀して以来である。
先週の後立山に続き2週連続の山行だ。
今年は紅葉が2週間遅れていて那須は今が見頃。
天気は晴れ。
新人のN君よりクライミングに参加したいとの意思表示があり、今年の夏に剣岳長次郎谷左俣を一緒に踏破した努力に報いてあげたいとの気持ちで実施した。
中堅会員にも声がけをしたら2名の参加が来て男性4名で実施となつた。
N君は日和田山での岩登りトレーニングを一度経験したとは言え、本番のアルパインは取りつきで先輩から技術の再確認を受けられるが、登り出したら横に指導者は居ない世界である。
登攀中確認のために本人に聞くと、トレーニングとは違い手間取ったようである。
中間結びのメインロープを外しかけ、下から見ていた先輩から怒鳴られたそうだ。
一つの間違いが何を意味するか気がついてほしい。
アルパインは緊張感の中でそれを乗り越えて、ワンステップ育つ環境を与えてくれる。
40年前の往年のクライマーNo氏も久ぶりなので、ハーネスへロープの結び方とか懸垂下降のエイト環へのロープの通し方など真剣に再度確認して登攀をした。
トップロープやバックアップロープが無いのがアルパインクライミング。
朝日岳東南稜の登攀は天候に恵まれれば、新人にも往年のクライマーにも素晴らしい場を提供してくれる。

10月13日(土)
午後9時武蔵浦和前を定刻に出発。
ノーストップで那須の小屋に午後11時30分に到着。
部屋の掃除をしてから七倉岳の残った酒等で軽く呑み、夜空は満天の星で明日のクライミングを保障してくれたので、午前1時前に就寝。

10月14日(日) 快晴
午前5時に起床して、朝食を個々で取り、午前6時小屋を出発。
那須街道を順調に走り鹿の湯を越えたあたりで後続の車が繋がり始めた。
6時過ぎたところだと言うのに妙に車の出足が早く感じた。
30分で冬のゲートである大丸温泉駐車場に到着。
ロープウェー方面からやたら車が降りて来る。
そして、大丸温泉の駐車場に止めだした。
ロープウェーの駐車場が満車で止められないらしい。
朝5時から一杯になっているとのこと。
天気も良く紅葉もずれて今が盛り。
降りてきた車の話を聞いて、少し遠いが冬と同じ大丸温泉に車を止めて支度をする事にした。
荷物を振り分け、午前7時前に出発。
ロープウェーの駐車場は満車で更に上の峰の茶屋駐車場方面からも車が多く降りて来る。
紅葉狩りの車で溢れているのであろう。
そんな車の列を見ながら1時間弱で『高山植物・・・』の看板に到着。
数珠繋ぎのハイカーを横目にミョウバン沢の堰堤目掛けて下降する。
取り付き手前の第1堰堤と第2堰堤の河原でハーネスとガチャを装着。
新人のN君も初めてのアルパインに少し緊張気味である。
Nのハーネス装着をチェックしてから、これからは本ちゃんであるので言れた事をきちっと守るように再度注意をする。
午前8時過ぎに登攀開始。
Na君が先頭でザレ場とガラ場をノーザイルで稜を目掛けて15分登り、岩のしっかりした東南稜の末端に着く。
暫く稜の弱点を拾いながら、フリーでルートを伸ばしていく。
稜の末端近くは勾配も弱く、北アルプスの縦走路の岩場の感じで、脆い岩を騙し騙しホールドにして高度を上げて行く。
那須岳のハイキングコースより目線が高くなる頃から、本格的な登攀になり、正面に壁が出てきた。
ビレー用のハーケンがある地点でロープを出し本格的な登攀の準備に入る。
トランシーバーをNaに渡しラストで来るように指示し、新人Nが2番、Noが3番の順番で登るよう説明し、Fがリードでスタートする。
3級程度であるから心配は全くしてないが、新人Nのロープワークが緊張で時間がかかることを頭に入れておく。
途中にハーケンが有ったのでランニングビレーを取、1ピッチ目のビレーポイントに30mほどで到着。
懸垂下降点の目の前である。
トランシーバーでビレー解除を告げ、新人Nに登攀の準備をするように指示。
なかなかロープが上ってこないので心配したが、No氏がビナの架け替えを下から説明しているとの事で状況が分かった。。
全員がビレー点に揃い、直ぐに懸垂下降の準備。
新品のボルトが2本打たれ20cm位のチェーンが付けられていた。
古いハーケンも2本あり、念のためにハーケン2本にも新しい捨て縄を加えて懸垂ポイントにした。
5mの懸垂であるがNにとっては初めてのエイト環を使用しての懸垂。
No氏も正しいエイト環へのロープの通し方を忘れており、真剣に説明に耳を傾け、何度もエイト環への通し方を繰り返していた。
兎に角、離してはいけない手はどれかを嫌がるほど説明し、Naが先頭で下降。
次に新人Nが続く。
降り口で振られた。
3年前の時、Naの同期で京都に転勤したSを思い出す。
4人が懸垂を終え、核心部10mのかぶり気味の壁の登攀となる。
Fがリードの為にクライミングシューズに履き替え、ロープをダブルにして準備を終える。黄色ロープにN 赤ロープにNoとNaが繋がる。
昔、11月の雪の時にFzと登ったとき緊張したことを覚えている。
3年前は夏で快適だった。
今年は新人を連れての実技アルパイン。
リードをしているとセカンド、ラストの緊張感がロープを通して微妙に伝わってくる。
この経験を今後は沢登り、アルパインに生かしてくれる事を願いながら核心部を抜ける。
此処まで来ると高度感もあり左側は崖になっており、程よい緊張を感じる。
ロープを解除して偽朝日岳までノーザイルで急勾配のガラ場を登っていく。
天気が良いので浮石に注意していれば快適に高度を稼ぐ。
ピークに登り上がると本当の朝日岳山頂が200m先に見える。
ハイカーさんが山頂から我々を見下ろしている。
ハイ松帯の痩せ尾根を歩き最後、頂上直下の10mのスラブに着く。
ビレー用のハーケンが1本あるのでNaにビレーをお願いし、Fがリードし途中の太いランニング用のハーケンを利用し終了点で後続組をビレーする。
頂上直下5m。
全員が登ったところで、午前11時15分山頂の溢れかえるハイカーの中に飛出る。
新人の指導を含めて3時間15分の登攀。
3年前は2時間45分だった。
秋真っ盛り紅葉を見てのアルパインクライミングであった。
記念写真を撮り、大渋滞のハイカーに混じりながら1時間で駐車場に到着。

那須の小屋に戻り、荷物を整理してから温泉無しで混む前に都心へ向かう。
午後4時30分 浦和に到着して今年最後のアルパイン登攀を終えた。

Y . F 記


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