秋山合宿 横尾本谷右俣

 

2013年9月10~12日

参加者 : 6 名

台風が遠い南の海上を北上中、連休明けに関東地方に接近する予報であった。
3年前の9月に同じコースを登っておりルートは掌握している。
過去の経験で台風が遠い南の海上にあって、街では連日晴れていてもアルプスで雨に降られた経験は何度もある。
入山日の土曜日、上高地方面は晴れと読のだ。
沢沿いのルートは土曜日中にぬけられるので、翌日は横尾尾根のコルに上がるまで、雨が本降りにならなければ安全と考えた。
天気図では台風の中心は関東地方に向かうので、西側にあたる岐阜方面は長時間雨に降られることは無いと読む。
台風が来ているので、天気図を読むのが難しい山行であった。

9月13日(金)晴
夜10時 新人女性2名を含む6名が新宿西口スバルビルに集まり、一路松本に向かった。
午前2時30分過ぎに沢渡の「木漏れ日の湯」駐車場に到着。
今回はテントを張らず車中で仮眠とした。

9月14日(土)晴
午前5時に起きて食料・共同装備を全員に配分し、タクシー2台にて上高地に向かう。
連休の悪天予報にも関わらず登山者は多い。
朝食をとり午前6時30分過ぎ横尾に向けて出発。
今回は6名の内3名がテント泊が初めての新人で、夏山合宿と違い重荷での登山である。
それも慣れない沢沿いを詰めて行くルートなので、どんな気持ちで歩いているのか心配であった。
一般コースでもテント泊は重荷で大変なのに、シュラフを含めた装備を担ぐことになり、特に女性陣は精神的プレッシャーがあったと思う。
天気が良くて、誰も遅れることなく3時間弱で横尾に到着。
大休止を取り、これからの本格的な登りに気持ちを切り替える。
涸沢ルートに入り登山者が減ったとは言え、槍沢に向かう人よりはるかに多い。
時折、ハイカーさんの波にはまって歩きが遅くなる。
1時間10分で本谷橋に到着。
小休止後、涸沢ルートと別れ沢沿いに左岸を歩く。
時々大石伝いに行けず、左岸を高巻いて越えて行く。
新人には初めての経験。
重荷を背負ってブッシュをかき分けるのは腕力を消耗する。
そんな高巻きと大石伝いを1時間繰り返し、横尾本谷への分岐に午前12時過ぎ到着。
2パーティが先行している。
女性陣は重荷にも慣れ遅れることなく進む。
本谷に入ると谷筋は開け、天気も良いので慣れた人には沢登りも快適になる。
右岸、左岸と通れるところを探し、大石を飛び渡っていく。
本谷の出合から2時間で二俣に到着。
いよいよ右俣コースに入る。
沢筋は狭くなるが水量は落ちない。
渓流シューズを履いていないので水の中を歩けば簡単な所も、高巻きしなければならず、沢登り初めての新人は神経を使う。
感心したのは女性陣2名が慎重に3点確保で大岩を越えたり、高巻きしてくることである。
標高2000m近くまで上ると背後に屏風岩が聳え立って見える。
途中トップを歩いていたKaが靴を水の中に入れてしまい濡らす。
二俣から1時間でロープが垂れている大岩に到着する。
3年前には荷物を背負って越えようとして苦戦したが、今回は越える要領を心得ているので全員ザックを降ろし空身で越える。
ザックは後の人に押し上げてもらいスンナリ越えた。
この大岩から見上げると黄金平の入り口である5m位の壁が見える。
トップを歩いているKaのペースが極端に落ち始めたのでKoを付けてゆっくりとくるようにつたえ、元気な女性2名とSaの4名が先に黄金平に向かう。
水量は以前に比べてはるかに多く、苔が岩に付き神経を使う。
女性陣は微妙なバランスで越えて行く。
新人とは思えない慣れ方である。
1時間で黄金平に午後3時40分到着。
テント場を探す。
既に3張り張っていたが、水場に近い3年前と同じ場所にした。
テント本体が後続組なので到着まで設営ができない。
一番心配した女性陣NaとSiが元気に屋外で夕飯の準備を率先してやってくれた。
水汲みを終え、2人を迎えに行く。
途中で合流し先着隊より30分遅れて到着する。
全員が午後4時過ぎに合流。
元気なメンバーでテントを直ちに設営。
長かった1日が終わる。
夕食が出来上がる間に、ボッカしたビールで乾杯。
寝不足と疲れで、午後6時30分早々に眠りつく。

9月15日(日)雨時々曇りのち晴れ
夜中に雨がフライを通して浸み込んできて顔に当たる。
目が覚めると夜中の12時前である。
ウトウトしている間、雨は強くなく、降ったり止んだりを繰り返しているようだ。
台風の雨雲の動きの予兆であろう。
雨が止んでいるときにテント撤収が出来ればと願いつつ時間の経過を待つ。
雨がテント内へ頻繁に浸み込んできたので、午前2時45分予定より早いが起床とする。
山のテント泊が初めての新人女性陣にはこの試練をどのように感じたのか。
お茶を飲み、朝の予定を説明する。
一般ルートでは無いので夜が明ける午前5時過ぎまで行動出来ない。
断続的に雨が降っているが、遠く蝶ヶ岳方面の見通しが良いから、稜線に向けての登りルートも心配は無いと話をする。
もっともリーダー以外、初めてのコースなのでピンと来ないであろう。
この上のモレーン帯を抜けてから横尾尾根のコル目掛けてルート工作をするが、ガスっているとルート工作が難しくなり時間が掛かると懸念していた。
雨が降っていてもその心配は払拭された。
朝食を終えてテントの中でパッキングし、5時前に出発の準備は終えたが外がまだ暗いので暫くの間マッタリと待つ。
15分で薄明るくなり雨も上がったのでテント撤収は容易に終えた。
午前5時35分黄金平の幕営地を出発。
モレーン帯は薮こぎをしながら抜け、雪渓の残る高山植物帯に入る。
南岳から横尾尾根そして天狗原のコルがはっきり見え、出発して1時間はまず雨が降らなかった。
身体も重荷に慣れ、寝不足は取れ、本谷右俣の詰めのザレ場に苦戦する。
テント場から2時間20分で稜線に抜けて、午前9時一般登山道に出る。
雨が弱いながら降ってきた。
一番悪いザレ場と草つきの所で殆ど降られなかったのは運が良かった。
軽く行動食を取り下に見える天狗原公園に向かって下山。
緊張感から開放されハイカーさんと同じ気分となる。
槍ヶ岳が見えないので天狗池は素通りし一路、槍沢大曲に向かう。
暑くも無く、雨も上がったりして下山は順調に進む。
大曲で槍からのコースと合流し一気に人が増える。
台風が来るということで槍ヶ岳からの下山者が多いのかも知れない。
槍沢ロッジ迄2時間で着いた。
ここでメンバーに、足が揃っているので此処までのペースを考慮すると午後3時半前後には上高地に着く。
沢渡で風呂に入っても夜9時過ぎには新宿に着ける旨を説明。
台風とのガチンコを避けるため、今日中に帰ることを了解してもらう。
後は横尾経由で上高地まで4時間半の道程と励ます。
朝5時半からの行動で結構歩いているが、下り道と平坦な道なので遅れることなく横尾に到着。
この頃から天気が晴れて雨具を脱ぐ。
上高地までの平坦な道はそれぞれハイペースで歩いた。
少し遅れ気味のKaを上高地で待っ事にし、女性陣2名とSaの3名を沢渡へ先行させて風呂へ入っているように指示する。
先行隊より1時間遅れでKaが上高地へ午後4時に到着。
すぐにタクシーに乗り沢渡へ。
1時間のんびり風呂に入れた女性陣に追いつくように後発隊も風呂に入り汗を流す。
午後5時過ぎに着替えてすっきりして一路松本インターに向かう。
台風の影響は上高地では全く無いが、松本は雨が降っているとタクシーの運転手が言っていた。
我々が帰る頃は松本へ下りても殆ど降られなかった。
松本インターを午後6時過ぎに入り、電光板を見ると小仏トンネルで17km渋滞と出ている。
夜9時半過ぎには着けないと覚悟したが、実際には渋滞が解消されていてスンナリと小仏トンネルを通過したら土砂降りの雨に遭遇。
一時ワイパーが効かない位で心配したが、台風の雲の流れに当たったようで直ぐに通過。
雨は止み、予定通り午後9時30分に新宿に到着。
各自家路に向かい、自宅で台風を迎えることになった。

Y .F  記


Copyright (C) 2003 RYOHOKAI All Right Reserved.