穂高連峰(前穂高岳・西穂高岳)秋山合宿

 

2014年9月13~14日

参加者 : 8 名

久しぶりの北アルプス穂高岳。
今回は初めて穂高岳に登る会員が4人おり、全員で奥穂高~西穂高に向うには時間が掛かりすぎると判断。
パーテイを前穂高隊(3人)と西穂高隊(5人)に分けて計画を進めた。
当初リーダーのFが前穂隊を担当してつり尾根と重太郎新道の悪場を指導しながら行動しようと考えていたが、サブリーダーのNaが日曜日に帰京したいとの事で、新人2名を受け持って前穂隊を担当することになった。。
西穂隊にFが加わり、一般ルートの中でも最難関の縦走路と言われるコースなので、サブリーダーのKの負担を軽くすることにした。
経験浅い女性会員3名が馬の背やロバの耳・天狗の頭までの岩場で緊張と恐怖で動きが止まらないかとの不安は、山行実施まで脳裏から離れなかった。
多少技術があっても風が出なければ良いなと思いつつ、そしてこの時期は稜線が氷点下になり、夜明け前は岩場が霜で滑りやすくなっており不安が幾つも重なり合う。
4年前に中堅の3人で同じ時期に行った時は、このような不安は微塵も起きなかったのが対照的である。
天気は1週間前から連休は晴れると出ており、白馬岳山行の時のように天気予報と天気図を毎日チェックする事は無かった。

9月12日(金) 晴
夜10時に新宿スバルビル前に2台の車が合流し定刻にスタート。
3連休前なので高速が混むことを予想したが、大きな渋滞もなく深夜の中央道を進む。
松本ICを出て沢渡経由で安房トンネルを抜けると「あかんだな駐車場」に止めるNa号が右折。
西穂隊は下山を考え新穂高温泉に向う。
深夜3時30分に到着し無料の深山荘駐車場に入ろうとしたが既に満車。
第2の方法として予め連絡を入れておいた左俣林道沿いの二ユー穂高ホテル前の駐車場に移動したが、早い者勝ちでここも満車状態。
無理すれば止められるが有料で下山したときに車が出せないと気分が悪いので、途中の路上に縦列駐車する。
午前4時過ぎである。
「あかんだな駐車場」に止めた前穂隊がタクシーで移動、新穂高で合流する時間が6時なので1時間仮眠する。

9月13日(土) 晴
午前5時に支度をして、歩いて5分ぐらいで新穂高のバスターミナル。
朝食を摂っていると5時30分に前穂高隊が到着し全員揃う。
支度を整えて午前5時45分新穂高をスタート。
秋を感じさせてくれる風が爽やかに頬をかすめる。
蒲田川右俣林道は登山者が多いが、1時間40分で奥穂高白出沢口に到着。
7割の登山者は槍ヶ岳に向う。
奥穂高への道としては玄人好みの白出沢ルート。
涸沢経由は恐らく3連休で天気が良いから大渋滞が予想できる。
登山口から本格的な登山道になる。
小屋泊まりで荷が少ないとは言え、寝不足で身体が重い。
呼吸を整えながら1時間で重太郎橋。
さらに1時間で荷継ぎ小屋跡に到着。
時間の経過に合わせて、全員遅れることなく涸沢ルートとは違う新鮮味に疲れが癒やされる。
既に新穂高温泉から4時間が経過しており、奥穂高山荘まで3時間前後で行けるはずだ。
急勾配の白出沢を稜線めがけて登る。
小屋の石垣が見えてくるが中々近づかない。
よく記録に載っている表現である。
この頃から飛騨ガスが景色を消し始めた。
午後2時過ぎに全員遅れることなく穂高山荘に到着。
宿泊手続きで列を作っている。
1枚の布団を2人で使用と説明を受ける。
手続きをしばしまったりする。
外部は飛騨側はガスがかかっている。
涸沢側は晴れて前穂の北尾根は良く見えているのに。
ガスが切れたら涸沢岳に向うことにする。
山荘に収まって、荷揚げしたビールや梅酒、ミルクティで今日の疲れに慰労会。
午後4時過ぎにガスが薄くなったので20分かけて涸沢岳に登る。
真下に穂高山荘、正面に明日登る奥穂高岳が聳えている。
記念写真を撮り再び小屋へ下山。
夕方6時30分に夕食を摂る。
この日の夕食は7回転、500人が宿泊したとの話だった。
疲れもあり、午後8時過ぎに眠りに入る。

9月14日(日) 晴
午前3時15分起床。
食堂で支度をして、お茶を沸かし朝食の弁当を摂る。
外は快晴で風弱し。
前穂隊も奥穂隊も一緒に予定通りの行動。
午前4時45分、ヘッドランプ・防寒着・上下の雨具・ハーネスを装着し繋がっている梯子に取り付く。
山頂近くになると飛騨側から風が吹き付ける。
着込んでいるので寒くは無い。
夜明け前の5時20分に山頂に到着。
快晴の奥穂高岳のご来光。
富士山を含め槍ヶ岳の美姿が静寂の中に神々しく映る。
8人全員が来て良かったと感じる時間である。
これから始まる緊張と恐怖の葛藤を忘れさせてくれる。
ここで前穂隊・西穂隊が分かれるので記念写真を撮り、午前5時30分に各隊がスタート。
西穂隊は直ぐに馬の背へのアプローチ。
既に大渋滞。
3000mの稜線で夜明け後の一番寒い時間、風もあり身体か冷えてくる。
逃げ場が無く1時間順番待ち。
しゃがみ込んで風の影響による体温低下を防ぐ。
ハイキングの延長のような出で立ちで順番待ちしているグループを見ると「- – – ? ! 」
いよいよ我々の順番。
リードのKの後に女性を挟んで男性がフォローするシフトで隊列を組む。
馬の背は本当に悪い。
背の低いNはステップが届かず難儀をしている。
左右が切れているので恐怖感が半端でなかったと思う。
ロープも付けてないので、慎重に時間をかけて歩を進める。
中堅には快適な岩登りの下降と言った感じで楽しい。
ロバの耳の脆い岩場を登り、奥穂高の山頂から2時間30分もかかってジャンダルムの基部に到着。
陽が当たり岩場の霜も溶け、上下の雨具を脱ぐ。
トラバースし西穂側からジャンダルム山頂に。
新しい会員には嬉しい瞬間。
条件が揃って初めてここへ来られる。
天狗の頭に向う。
一番難所であった馬の背を通過、これからは悪い場所には鎖が付いているので不安は少し無くなる。
しかし浮き石、落石がこれからは多い場所、我々も今回は何度も体験している。
体調は全員良い様で怖さにも慣れてきた感がある。
午前10時30分に天狗の頭を通過。
逆層の30mの鎖場を下降してから大休止。
ここから間ノ岳の登りに掛かる。
岩場は脆いが浮石に注意すれば鎖に誘導される。
午前11時に間ノ岳に到着。
前穂高隊と無線交信すると既に岳沢小屋近に来ているとの事。
安全地帯に入っていたので安心した。
西穂隊はここから西穂高山頂迄1時間30分掛けて進み、午後1時に西穂高に到着。
一般ルート帯に入って緊張が少し解ける。
全員で握手し行動食を摂る。
最終ロープウェーに間に合う時間なので、ノンストップで2時間掛けて西穂高山荘着。
観光客も居て大混雑。
10分休んでロープウェーの駅に向うが下降と登りが大渋滞でなかなか進まず、駅に着いたのは午後4時20分。
最終が4時45分なのでどうにか其の日のうちに新穂高温泉に下れた。
車の所で前穂高隊に電話をすると、上高地よりバスかタクシーに乗るのに2時間以上待ちとの事。
先行したが結局我々と同じ時間帯となり、沢渡の温泉で待ち合わせをする。
午後6時30分に合流し風呂に入り着替えて食事を摂り、沢渡を8時前に出て帰路に着く。

高速で事故渋滞にはまり、都心に入ったのが深夜2時過ぎになる。
一番電車まで車で仮眠。
Na号は仕事があるので深夜に自宅に向かった。

Aさんの感想(奥穂高岳~西穂高岳)

白馬岳~不帰~唐松縦走から2週間後、楽しみにしていた奥穂高~西穂高縦走の日がやってきた。
新穂高温泉からゆるやかな上りの林道を2時間歩き奥穂高登山口へ。
山の空気に触れているうちに体調も気分も高揚してくるのを感じる。
最初からガレ場の登りをイメージしていたが、意外にも樹林帯の中を進む。
1時間ほどで重太郎橋を渡り岩壁にかけられた梯子を登る。
この先から白出沢のガレ場になっていく。
歩きにくい急登だが、他の登山道とは違う雰囲気で、青空と向かいの笠ヶ岳の絶景に励まされ高度を稼いでいく。
前日の朝から高山病の予防薬を飲んでおり2500mを超えても症状が出ないことにホっとする。
登っている時はキツイと感じたが、今思い返すとすでに印象が薄い。
それだけ翌日の縦走が強烈だったわけで、初日の工程は翌日のプロローグに過ぎないことをこの時はまだ知らずにいた。
穂高山荘に到着後、小休止してから空身で涸沢岳へ。
ガスっているが、時折奥穂高岳が雄大な姿を見せてくれて翌日への期待と緊張が高まっていく。
穂高山荘は大混雑していたがご飯が美味しくトイレも清潔で良い小屋だった。
ここでかわいいバンダナを買ったのだが、帰ってきたらどこにもない。
小屋に忘れてきてしまったようだ。
今度は空いているときにまた買いに行かなくちゃ!!

翌朝起きると強烈な吐き気がする。
寝ている間に高山病の症状が出てしまった。 定番のミルクティーと持参したバナナを口にして薬を飲む。
薬が効いてくるまで1~2時間の我慢と自分に言い聞かせる。
外に出ると空気が澄んでいて星が綺麗。
上下カッパを着て防寒対策し、ハーネス・ヘルメットを装着して準備万端。
ヘッドランプを着けてアタック開始。
梯子や岩場を登っていくとだんだん明るくなっていく。
岩がキラキラして綺麗だがよく滑る。
光っているのは凍っているからだ。
見惚れている場合じゃない、気を付けなければ。奥穂高の山頂に着くと周りのスター級の山々がすべて見えている。
笠ヶ岳から、槍ヶ岳から、蝶や常念から、憧れの眼差しで眺めていた奥穂高岳の頂に立てたことが嬉しくて心が満たされていく。
これから進むジャンダルムに朝日が当たって輝いている。
ここで前穂隊の3人とはお互いの健闘を祈ってお別れ。
Kリーダー、Nさん、Sさん、私、Fリーダーの順に5人で進む。
しかしすぐに馬の背のナイフリッジの順番待ちで大渋滞。
飛騨側から吹き付ける風が冷たくて体の芯まで冷えて手がかじかんでいく。
こんな凍えた手で馬の背を越えられるのか。
渋滞に並んでいる人たちを観察すると、山ガールもいるしヘルメットなど装着してない人も多数いる。観光地のアトラクションに並んでいるような不思議な気分になる。
だいぶ並んでいよいよ自分たちの番。
心臓が口から飛び出そうだが、両側の切れ落ちている場所は見ないようにして自分の手足に神経を集中させる。
核心部を過ぎても次はロバの耳からジャンダルムへと緊張が続く。
「三点確保・三点確保」と呪文のように唱えながら進む。
ジャンダルムはどこから登れるのかと思うようにそびえ立っているが、信州側に登れるルートがあった。目の前だけに集中しているが、ジャンダルムからは空と山しか見えない絶景が広がっていて感動で胸がいっぱいになる。
天狗のコルまできたところで西穂高からの15人通過を待ちながら衣類調整や食事。
ここでようやく朝食べられなかった小屋のお弁当をほぼ完食できた。
持参したCCレモンやクエン酸・アミノ酸など、摂れる栄養をすべて摂って後半に備える。
ここから先は垂直の壁の登り降りの連続だった。
この夏は剱岳登攀のための訓練を受けてきたので、慎重に手足を運び、落ち着いて行動することができたと思う。
しかし「ラクー!」の声を何度も聞いたし目撃した。
充分気を付けていたが、自分も一度大きな石を落としてしまい、後ろのグループのすぐ横を落ちていき冷や汗をかく。

次の山が西穂高かと思ったら赤岩岳と知ったあたりから前の3人に追いつけなくなる。
ずっと全身を使っていたので、足を上げる力や腕の力がなくなってきたのを感じる。
腕の力がなくなってくると岩を降りる時に怖くて岩にへばりついてしまう。
そして足元が見えずどこに足を置いたら分からず時間が掛かってしまう。
帰ったらもっと足も腕も鍛えて体重も落とさないと。
ヘロヘロになりながらもストイックで前向きな自分に笑ってしまう。
山は普段会えない自分にも会える場所だ。
すっかりガスっていたが、ようやく西穂高山頂に到着。
ここからも岩場が続き気は抜けない。
独標を過ぎたあたりからようやく普通の登山道になり、前の3人に追いつくべくストックを出してスピードをあげ西穂高山荘でようやく合流できた。
最終のロープウェイに乗るためにゆっくり休むこともなく下山。
しかしここからが長かった。
足は上がらないし少しの登りで息があがる。
完全にへばっており、ロープウェイ駅にたどりついたときは心の底からホっとした。
稜朋会に入らなければこのルートを歩くことはなかったと思う。
へばりながらもなんとか歩けたのは、リーダーはじめいつもご指導下さる先輩方、ご一緒してくださる仲間のおかげです。
この場をお借りして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
体力強化、がんばります!

Nさんの感想(奥穂高岳~西穂高岳)

今回は好天に恵まれ最高のコンディションでの山行を楽しむことが出来ました。
三連休のため登山者、山小屋の混雑、難所での渋滞、帰路の高速道路の大渋滞と山以外でも最高尽くしの経験となりましたが、奥穂高から西穂高への縦走はそれら多々雑多な事が霞んでしまう程の経験となり、暫くは目をつぶると切り立った岩山稜線が出てくるほどでした。
とても一般ルートとは思えないコースを無事踏破出来たのもリードして下さったリーダー・先輩方のアドバイス、サポートのお陰と感謝です。
奥穂高岳から西穂高岳までは山地図でも点線になっているだけあり気を抜けず緊張の連続、特に難所と云われる場所では、心臓が痛くなるほど緊張し「二度とここには来ない」と思ったのに、数日経った今は「次はもっと上手に登りたい」と思っている。
叉、苦しい思いをしようとしているのだから山は魔物です、私を虜にして離さない。

9月13日
6:00 新穂高ロープウェイ脇の道から白出沢登山口に向かう。
稜朋会に入ってから夜中に車移動、現地で仮眠し早朝から歩くことにも慣れてきたのだろうか白出沢の素晴らしい景色に目を奪われ、気がついたら奥穂高山荘が見える地点まで到着。
が、ここからがキツく、話には聞いていたが長いガレ場をひたすら登る。
13:30 ヘロヘロ状態で奥穂高山荘へたどり着く。
眼下に涸沢小屋とテント村が見える。
好天の三連休とあって色とりどりのテントがきれいだ。
16:30 涸沢岳登頂。
一旦山小屋でくつろいでしまうと涸沢岳に登る気が失せてしまったが、気合いを入れ直して登ってきて良かった。
時折ガスの間から奥穂高岳が見え、その岩の殿堂とも云える山に明日登るかと思うと畏怖と挑戦を感じる。

9月14日
3:30 起床。
皆夜明け前出発は同じで山小屋の中も外も早朝とは思えない大混雑。
朝食のお弁当と熱いミルクティーでエネルギー充電する。
4:30 夜明け前に出発。
暗い中、山頂へ向かうヘッドランプの列が続く。
身体が目覚めていないのか重く苦しい。
5:30 奥穂高山頂で御来光を拝み、一日の無事を祈る。
ここで前穂隊三名と別れ、西穂隊五名で最初の難所「馬の背」へ向かう。
6:00 馬の背で順番待ち。
山小屋が大混雑だったのだから当然だが予想以上の渋滞、順番待ちで身体が冷える。
9月中旬と云えども朝方は0℃近くまで冷え、岩に霜が凍りついている。
私達は全員雨具を上下着込み厚めの手袋をしていたので順番待ちでも寒さに耐えられたが、夏山気分の短パン・タイツの人達は寒いだろうな、と同情してしまう。
やっと順番が来て三点確保で下り始めるが…..あぁ、ホールドが見つけられない。
足が短くて届かない、焦る!!
下からKリーダーのアドバイスを受け、やっと下りきる。
以前岳沢から登り上った時は怖くなかったのに、下りは怖さから岩にへばり付き、足元が見えないからだろうか難渋した。
8:00 ジャンダルム登頂。
10:00 天狗のコルで大休止。
この時間になると岩の霜も溶け滑らなくなる。
天気が良くても緊張するのだから雨で濡れていたら未熟な私では危険で歩けないだろう。
風も無く、好天に恵まれたことに感謝する。
14:10 西穂高岳登頂。
天狗の頭、間の岳、赤岩岳を経て西穂高岳に至るまでのコース全体が急峻で大きいアップダウンの繰り返し。
もう頂上かと思うと先に更に高い峰がありガッカリ、危険なだけじゃない。
スタミナも必要なコースだ。
奥穂高岳が最高峰で西穂高岳に向かって下るのだからコースの難易度は高くても大丈夫と思っていたら甘かった。
西穂高岳に到着した時はホッとした。
15;10 西穂高山荘着。
ロープウェイの最終便に乗るため必死に歩こうにも、ハイカーが多くて進めず焦る。
足の裏も痛くなってきた。
16:10 ロープウェイ乗り場到着。
最終便の16:45にて新穂高温泉に降りる。

山行中、県警のヘリが始終飛んでおり各地で事故があったと聞きました。
リーダーは全員が無事に下りきるまで気が気でなかったでしょう。
難しいコースを怪我や事故を起こさないようサポート、アドバイス下さり有難うございました。

Saさんの感想(奥穂高岳~西穂高岳)

私が40歳の6月末だと記憶していますが、会社を長期休暇していた期間に上高地に滞在したことがあります。
暇を持て余して「西穂高岳に行けるところまで登ってみよう!」と思いついたのが登山を始めるきっかけでした。
結局 当時は西穂独標を越えられずに敗退しました。
独標から見た西穂高岳方面の険しい岩稜はとても素人には踏み入ることが出来ない危険地帯であると感じたことを覚えています。
それから12年後 逆ルートではあるが奥穂高から馬の背~ジャンダルム~天狗の頭~西穂高を越える岩尾根縦走に参加できることが出来た。

今夏、山は荒天つづきで山愛好家たちのイライラも最高潮だったのか3連休はどこの山も大盛況だったようです。
日本の一般ルートで最もハードと言われる岩稜ルートも待ち時間で体が冷えるのを我慢する状態でのスタートだった。

遠目に見ると垂直で「本当に登れるの?」と感じる岩場も取り付き点まで行くと手がかりが見つけられるし、下りはバックステップで降りられる・・・・・「あれ?結構 俺って行けちゃう!」
晴天・無風の好条件とは言え、会で何回も実施した岩稜訓練が知らず知らずのうちに自分の技量向上になっていたことに気づく。
ただし、本当に怖いと感じたのは 「落石」。
いたるところで「ラクッ!」との声が響き、実際に自分に向かって落ちてくることも・・・・・・。
ヘルメットを被っているとは言え直撃したらタダではすまない。
落ちてくる落石と自分が下方に落とさないようにする気遣いが神経を消耗させていった。

核心部を無事通過し、最後の岩稜「独標」が見えてきた。
? 第一印象は「ゴミ山?」
山肌が崩れるのを防ぐ砂防工事が施されており人工的な感じ・・・・・。
これが12年前に怖くて越えられなかったあの「独標」とは。

いつか逆ルートの西穂高~奥穂高ルートを渋滞の無い時期に気のおけない仲間と縦走してみたい。

Suさんの感想(奥穂高岳~前穂高岳)

山は最高です
天候に恵まれた素晴らしい山行でした。
奥穂高岳・前穂高岳からも槍ヶ岳・富士山・中央アルプスの絶景を堪能しました。

9月12日(金)
夜10時に新宿スバルビル前に集合して、前穂高グループ(3人)と西穂高グループ(5人)が2台の車に分乗してスタート。
急遽参加できなかった2名は残念だと思う。
我々8名も寂しかったですね・・・。
私達の車は運転を交代しながら「あかんだな駐車場」を目指してAM3:30頃到着。

9月13日(土)
駐車場はAM5:00開門。
すでに長蛇の列が順番待ち。
路上駐車で仮眠して開門を待つ。
ゲートが開くと同時に駐車場へなだれ込む。
タクシーが待機していないので、ヤキモキして待つ。
寒い・・。
数台のタクシーが列を作って現れた。
3人とも安堵の笑顔。
AM6:00前に「バスターミナル新穂高センター」で西穂高パーティと合流。
登山開始。
約3時間で白出沢出合に到着。
各自朝食をとりながらリーダーの話を聞く。
「この丸太橋は川の増水でよく流される」
流石に知識が有る。
ここから、梯子を登り、ガレ場の厳しい道のりが始まった。
いくら登っても着かない。
山荘が見えてもなかなか着かない。
ピッチも60分から30分に短くなる。
苦しい!
計画時間通りにPM3:00に穂高山荘着。
山荘はとても混んでおり、布団1枚に2名の割り当てしかない。
先ずはミルクティーを作って落ち着く。
夕食予定のPM5:30までに涸沢岳登頂へ向かう。
あいにくガスがかかっていたが、山頂で記念撮影をして下山。
アルコールが入った為か、夕食までの短い時間でもスヤスヤ寝てしまう。
夕食は7回転だ。
我々は3グループ目だった。
山小屋にしてはなかなかのご馳走で、8人そろって食欲旺盛で満腹。
早々に就寝した。
外は満点の星空と聞こえていたが、起きる気力はなし。

9月14日(日)
「快晴だよ!」の掛け声でAM3;30起床。
飛騨名物の朴葉寿司弁当(かなり美味しい)で朝食を済ませる。
AM4:30 ヘッドランプを点けて奥穂高岳山頂へ出発。
梯子や鎖場の急登を三点支持を心掛けて進む。
山頂に着くと同時にご来光。
なんと美しいのでしょう!
富士山まで見える絶景です。
記念撮影をしてから、前穂高グループと西穂高グループに分かれて2日目のスタート。
すでにジャンダルム方面は渋滞が始まっている様子。
「西穂高グループ頑張れ・・」と思いながら我々は前穂高岳へ向かう。
奥穂高岳~前穂高岳
梯子や鎖場を慎重に通過して「紀美子平」に到着。
「紀美子平」の名称は「重太郎新道」を開設作業中に娘さんをここで遊ばせていた事から命名されたと教えてもらう。
我リーダーもなかなか博学である。
前穂高岳を見ると急登の岩場である。
荷物をデポして山頂へ3人ともリズミカルに三点支持で登頂。
ここもすばらしい絶景である。
「下りは怖い・・」と聞かされていたが、テンポよく楽しく下る。
成長の証!
前穂高岳~岳沢小屋
鎖場や梯子が各所にあり、登ってくる登山者との擦れ違いに時間がかかり始める。
我リーダーは後続の登山グループにも「3名が登ってくるので、少しお待ちください。若い登山者なので時間はかからないと思う」と声をかけている。
流石の対応である。
私もこんな人柄になりたいと思った瞬間だった。
長い道程である。
岳沢小屋は見えているのになかなか着かない。
重太郎新道は決して登りたくない・・と考えた程だ。
途中で、前方にいた人が小さく滑落したのに遭遇。
また、大きな落石も有った。
「落石を起こさないようにしないといけない・・」と話し合っていたら、 リーダーに「注意するのではなく、起こしてはいけない」とハッキリ指導を受ける。
岳沢小屋~上高地
岳沢小屋で休憩するとテラスでビールやカレーを美味しそうに食べている。
自分たちも食べたい気持ちを我慢。
我慢する理由は無いのだが・・・。
ヘリコプターが忙しく旋回している。
ホバーリングが始まって、救助活動をしている。
危険がつきものの登山であるが、我身に置き換えることはできない。
まだまだ長い道程にうんざりしながら進む。
「上高地でソフトクリームを食べたい」そんな希望が生まれた。
一つ楽しみが出来た。
なかなか着かない。
駐車場の閉門も気になる。
やっとの思いで上高地。
小生には初めての上高地だ!
河童橋はテレビで何度も見ている。
橋から見る穂高はガスがかかっていた。
ガスが切れるのを暫く待ってと思っていたら、リーダーが「先に行って待っているからゆっくり来てください」と心温まるお言葉。
バスターミナルを目指すと人がごった返している。
何が有るのかと興味を持って着くとバス待ちの行列だった??
リーダーはタクシー乗り場に並んでいた。
感謝です。
私達が着くと「ソフトクリームを食べよう」と配慮が素晴らしい。
それでも、1時間待ってジャンボタクシーに他のお客と相乗りで駐車場へ。
温泉に向かうが営業終了。
結局、西穂高グループからの電話を受けて、合流後温泉と食事を済ませる。
お互いの健闘を讃えあいながら会話が弾む。

帰りの道中は、高速での事故渋滞に巻き込まれて終電に間に合わず。
首都高PAで仮眠をして始発を待ってからそれぞれが帰宅の途についた。

憧れの穂高岳。
技術の未熟さがある為に2つのコースを設定する状況を作っている自分・・・。
皆さんのレベルに着いていけるように精進したい。
いま
新田次郎の「栄光の岸壁」を読んでいる途中です。
文中に「君は山を恐れない。なぜならば、怖い事に逢っていないからだ。そういう形で急激に山に深入りしていくことは危険なことなんだ」
身につまされる言葉である。
楽しい事ばかりの山行です。
山行ではリーダーを始め先輩方にご指導をいただき、大変感謝しています。
これからもよろしくお願いいたします。



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