参加者 :13名(男性5名・女性8名)

台風11号が西日本をノロノロ通過、天候が定まらないまま白峰三山 (北岳・間ノ岳・農鳥岳)縦走の出発日となる。 白峰三山という呼称は、『甲斐国志』に「南北へ連なりて三峰あり」という記事から出たとある。「その北方最も高き者を指して、今専ら白峰と称す。………中峰を間ノ岳と称す。この峰下に、五月に至りて雪漸く解けて鳥の形をなす所あり、故に農鳥岳とも呼ぶ。皆一脈のいえ別峰にして、総て白峰なり。」白峰三山の由来であろう。 三山のうち日本で2番目の高峰である北岳と4番目の間ノ岳は日本百名山、農鳥岳は二百名山である。 三山縦走は三千メートル峰を越えての縦走路、広大な南アルプスを歩くのだから体力が必要、南アルプスの人気コースで一般ルートとはいえ出発前から緊張する。

17日(金)新宿22時集合、車二台に分乗し出発する。 中央高速・談合坂SAで休憩を取りながらコースを検討。ノロノロ台風の影響や道路監督局の対応もあり、予定通りのコースとするかF代表の判断を待つ。 台風の影響で前日からの大雨により、南アルプス公園線(芦安から広河原・奈良田から広河原)のバスは双方とも規定雨量が越えた為、安全確認が取れてなく通行止めになっているとのこと。 特に土砂崩れは出ていないので、雨が上がり安全確認がとれたらバスを走らすだろうが、当初予定の一番バスは走らない可能性がある。芦安方面は既に安全確認がとれバスの運行が決定しているらしいが、奈良田方面は不確定。当初予定の奈良田からを芦安に変更する案も出たが、下山後の移動等を勘案し、当初予定通り奈良田から登ることに決定。 土曜日は台風の影響で雨が残るものの、日・月曜は台風一過でピーカンを期待しての決定である。 奈良田のバス停駐車場に到着、雨が止みバス運行を祈りつつ車中で仮眠する。

18日(土)曇りのち雨のち曇り 4時30分:目を覚ますと、雨は止んでいる。小躍りしたい気持ちで共同装備、食料を分担しバス停に並ぶ。予定通り5時30分の一番バスが運行、広河原へと向かう。 7時:身支度を整え広河原を出発。ザックが重い。 二俣から北岳肩の小屋に至るルートは一般コースと云えども、寝不足のなか食料満載のザックを背負って標高差1670m(約5時間半)を登るためきつい。 9時30分:二俣到着。天気予報通り雨となり雨具を着込む。 二俣からは右俣コースに入り肩の小屋を目指す。急斜面をジグザグに登る。ハクサンイチゲとシナノキンバイが咲き乱れる中、冗談を言いつつ気持ちを高める。徐々に標高が上がり気温が下がっていくせいか、休憩すると汗が冷えて寒い。 肩の小屋まで後30~40分、広い尾根に出た辺りで私の足が攣り動けなくなってしまう。足が攣った際のツムラの特効薬を貰い服用。止まっていると寒い。女性陣にN氏が付き添い先に行ってもらい、Fリーダーと男性二名が残り介抱にあたってくれた。私の背負っているザックから共同装備分を男性に移す。男性は只でさえ重い荷物を背負っているのに申し訳ない。今だから笑えるが男性三人に足を揉んでもらい女王様になったのは人生この時が最初で最後だろう。 原因は寝不足、水分不足、塩分不足に冷えと思う。 ダウンを着込み、フリースの手袋、足やポケットにホッカイロを入れたら徐々に足が動くようになる。 ツムラの薬、ホッカイロは山行に必須だ。 13時:女性陣が待つ肩の小屋へ到着、お汁粉で冷えた身体を温める。 14時:遅れていたI氏の到着後幕営地へ移動、テント三張りを設営する。雨が止んでいて助かるが、風が強い、飛ばされないよう、しっかり留める。 平で広い場所はすでにテントが張られているため本日の宿は少々斜めのようだが、テントの中に入りホッとする。コンロを空焚きし、身体を温める。 人心地ついたら夕食の準備、メニューは定番のコンビーフカレーとキュウリと紫蘇の塩揉み。 6人テントに13人が入ってのお酒と食事、ぎゅうぎゅうで足が伸ばせないが賑やかで楽しい。 19時:明日は台風一過の晴天を期待し就寝する。

19日(日)曇りのち雨のち曇り 2時:起床 テントを撤収し、4時30分にヘッドランプを点け出発する。 5時30分:北岳山頂に到着。強風のため集合写真を撮り早々に北岳山荘を目指し斜面を下る。晴れていれば眼下に北岳山荘が見えるはずが、ガスっていて見えない。 7時:北岳山荘で休憩後、間ノ岳を目指して出発する。 ガスが取れ雲の間に青空が少し覗く。越えてきた北岳、遠くに富士山が見える。二日目にして漸く遠くの景色を見た感じだ。台風一過でピーカンを期待していたが…..富士山頂上に笠雲がかかっている、天気はよくないのか…..。 9時20分:間ノ岳山頂に到着。 風を避けて暫し休憩後、広い山領を農鳥小屋に向かって下りる。 農鳥小屋で昔風のトイレを体験。 農鳥小屋を出発し、西農鳥岳へ登る途中から雨が降り出す。強風と雨のダブルパンチに負けまいと必死に歩く。出発前にFリーダーから「このコースにエスケープルートは無い、帰るためには大門沢に下りるだけだ」と言われている。「絶対歩き通す」強い気持ち、弱音は禁句だ。 西農鳥岳を越え岩稜の尾根のアップダウンを繰り返す。

13時5分:農鳥岳山頂に到着。農鳥岳への登りが一番キツイと言われていたのでホッとする。 農鳥岳より下ること60分、やっと樹林帯に入り強風から開放される。2日目の幕営地大門沢は標高1776mの地点にあるので1250mを下らなければならない。針葉樹林帯の急斜面を木の根、石と雨でぬかるんだ土で滑らないよう下りる。 雨も止み、大門沢の流れが見えてきて大門沢小屋までもう少しの下り坂でTS氏がバランスを崩して転倒、重いザックに引っ張られ二回転しながら沢沿い左側斜面に落ちてしまう。幸いなことに木に足とザックが引っ掛かり5mくらいで止まる、怪我無く呼びかけにも応えるのでホッとする。 N氏が右側山斜面に架かっていたトラロープの片側をナイフで切り、救助ロープの代用とする。MS氏がロープに掴まりTS氏まで下りてザックをロープに結び、逆さになっていたTS氏をサポートし登山道へ上げる。TS氏は斜面を落ちながら今まで聞いた話を参考に、手足を広げ木に引っ掛かるようにしたとのこと、又、動かないように努めたとのこと、冷静でした。 もう少しずれていたら、20m下の沢へ落ちて大事故になっていたであろう、落ちた場所が幸いでした。 大門沢小屋にロープを切ったことを報告すると、その箇所は事故が多いためロープを掛けているとのこと、大事故にならずに良かった。 17時10分:大門沢小屋到着、テントを設営する。 沢が近くなので水が豊富なのが嬉しい、さっそく夕飯の支度に入る。 今晩のメニューはパスタ2種と野菜スティック。 13人分のパスタを水を無駄にしないよう作るのは難しい。茹で過ぎになるも皆美味しいと食べてくれる。パスタは多人数の山料理としては不向きかも……反省。 20時:就寝、明日は下るだけなので気が楽だ。

20日(月)晴れ 4時:起床  5時30分:大門沢小屋を出発する。 山行三日目、下山日に漸く太陽に恵まれる。 大門沢沿いに下山、何度も丸太橋や石に乗りながら沢を渡る。台風の影響で雨が降っていたせいか水量が多い。女性陣が渡れるように、時には沢に石を投げ入れ足場を確保したり、大きな流木丸太を渡す。大きな丸太橋が真ん中から折れていた箇所では、先にロープ伝いにTS氏が渡りロープを張り、真ん中の岩場にN氏が立ち沢に落ちないよう補助してくれた、有難うございます。 大きな流れには吊り橋が架かっていて助かる。 揺れる不安定な吊り橋を渡って一安心したところ、橋から降りたところの石にI氏が滑り、その際に手をつき右手を捻挫してしまう。 その後、何でもないような河原でMS氏が石に滑り沢で半身浴、冷たいだけで大事に至らず笑い話となる。 早川水系発電所取水口、第三堰提を通りゲートを抜け、9時に奈良田第一発電所の登山口に到着。 波乱万丈の縦走もこれで終わりと思っていたら…..新人のSSさんが蜂の一刺しにあう。 蜂の巣でもあったのか、他のグループの女性も刺されている。ポイズンリムーバーで毒を吸引、針を抜く。 一昨日に足が攣った際、ツムラの薬を所持していたKAさん、ポイズンリムーバーも所持、流石です。 ここから30分、奈良田の駐車場まで歩く。 9時40分:駐車場に到着、お疲れ様でした。 日帰り温泉で三日間の汗を流し、帰路につく。 18時30分:新宿駅西口到着、解散。

白峰三山縦走は天気には恵まれなかったが波乱万丈、いろいろな体験ができ大変勉強になった山行でした。 山で身体の冷えは厳禁、夏でもホッカイロや防寒具は必須、雨に降られたら早めに雨具を装着、濡れたままでいると体力を消耗するのを実感、下山時の怪我に注意等々。又、いざと云う時のために薬の見直しも必要。何といっても事故やアクシデントに見廻れた時は冷静に対応するのが大事。 経験豊富なリーダー、先輩方、これからも宜しくお願いします。

記録 T.N



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